初めて見る人は「茎も葉っぱもないみたいだけど、これが植物なの?」という第一印象を抱くのではないでしょうか。丸い形やハートの形、足袋のような形まで、それぞれ個性的な見た目で、秋にはてっぺんに可憐な花を咲かせます。そんな可愛らしいコノフィツム、トライしてみませんか?
コノフィツムってどういう多肉植物なの?
コノフィツムの原産地はアフリカ南部。 原種だけでも200種類近くあります。園芸品種は400種類以上存在し、新たな新種が近年も増え続けています。
ちなみに、原種とは野生の時のままの 全く品種改良されていない状態の植物のこと。園芸品種とは、原種同士を人為的に交配させて生み出された品種を指します。
多種多様な形態があり、その見た目からいろんな型に分類されています。
コノフィツムの生育期と休眠期
コノフィツムは冬型の多肉植物です。冬型の特徴は 夏が休眠期→秋から少しずつ成長→冬に活発に成長→春は緩やかに成長→休眠期の夏に入る というサイクルです。
「太陽の子」といわれるほど日照を好むコノフィツム。生育期の日照時間が少ないと 厳しい夏に腐って枯れる場合があります。
寒い寒い冬に 活発に成長する そんな冬型多肉植物 コノフィツムなんですが・・・
そんなに寒さに強くありません。
しかも 夏の暑さにも弱いんです。
たくましいのかデリケートなのかよく分からん って思いますよね。管理のポイントは3つです。
- 夏は遮光する
- 夏以外は直接日光にあてる
- 冬は8℃以上の環境で管理する
ここは人によって育てる理念に違いが出るところです。「年間通して明るい日陰のほうがいい」とか、「0℃までは外管理がいい」とか。 やはりそこは 育ててみないと分からないのです。環境条件も人それぞれなので。
自分なりに育ててみて、調子悪くなったら何か変えてみる。その繰り返しなのかなと思います。私もたくさん失敗を重ねています。猛暑で一度に何十株も枯らしたこともあります。けど「5℃以上の環境で」と言われる品種を -1℃の外管理で枯らさず維持しているものもあります。
コノフィツムの水やり頻度と肥料
生育期の冬はたっぷり水やりします。鉢の中の水分が切れたら、またたっぷりと水やりします。冬は気温が低いため土の乾きが遅いので、土の中が常に湿った状態にならないように気をつけたほうがいいです。私の経験ですが、苗が水を吸い過ぎてパンパンになって、表面に小さな亀裂が入ってしまった!という事が何度かありました。
休眠期の夏の水やり管理。ここでも2択。
「断水したほうがいい説」「乾燥させすぎはよくない説」
私は断水をしたことによって枯らせた経験が多いので、土の表面が湿る程度に、時々水やりするようにしています。
春と秋は、生育期の冬と同様にたっぷり水やりをします。春の終わりごろから、夏の休眠期に備えて水やりを少しずつ減らしていくといいです。
肥料はなくてもいいのですが、施すなら冬の生育期に緩効性化成肥料か液体肥料を少量与えるといいですよ。
コノフィツムの増やし方は?
種まきか株分けで増やします。 簡単で難易度が低い株分けをオススメします。
夏、カサカサの皮に覆われて休眠するコノフィツム。秋に皮が剥がれると分頭して増えています。(1つの皮の中から2~3頭。1つのまんまの場合もあります。)増えた苗の根っこを丁寧に裂くように切り離し、空間を空けて土に植えます。10日ほど経ってから水やりを開始するといいですよ。
たった6頭のコノフィツムを育て始めて10年経った今
私が初めて出会った「水滴」という名前のコノフィツム。コロコロしてて、枝豆みたいで可愛いなぁという印象でした。
育て方のコツや、どうやったら増えるのか全然知らなくて ネットで検索しまくり「冬によく育つらしい。夏はカラに覆われて枯れた様子になるらしい。でもちゃんと生きてるらしい。」そんな程度の情報を得ましたが とりあえず普通の品種と同じように育てていました。夏は本当にカラに覆われて どう見ても枯れてる状態になりましたが、秋になって そのカラが破れて・・・
6頭から9頭に増えてる!
枯れてなかったんだ!っていう嬉しさと、脱皮して増えるんだ!っていう発見。私にとっては初めて見る嬉しい衝撃でした。
そこからは、特に積極的に増やそうと思ったことはないんですが、休眠明けに分頭して勝手に増えるので、地味に増え続けていき、約10年経った現在の姿がコチラ 。大量。
まるで「バイバイン」的な増え方!
「バイバイン」とは ドラえもんに出てくる道具なんですけど、1個しかない栗まんじゅうを食べ切ったらなくなってしまう事を惜しむのび太に、ドラえもんが「バイバイン」という薬を出し、それを栗まんじゅうにかけると、5分ごとに数が2個、4個、8個と倍に増えていくんです。
食べ切れなくなって家の敷地いっぱいに増え続けた栗まんじゅうは、最終的にはロケットで宇宙に飛ばしてました。(宇宙で増え続けてるはずです)
最初の頃は 猛暑の時期にかなりの数を枯らせてしまったけど、近年は安定して増えています。
コノフィツムは栗まんじゅうに比べたらすごく小さいですし、分頭しない場合もありますし、2倍に増えるのは1年後ですから、宇宙に飛ばすほど増えて困る事態にはなりませんのでご安心を!
でも、来年はこの鉢のコノフィツム、2倍になっているのか・・・。
秋には可憐な花を咲かせます。下の写真は1つだけフライングで咲いたところを撮影したのですが、たいてい同時期に花が咲くので その様子は一面のお花畑のようでとっても見ごたえがあります。(その見ごたえのあるところを撮ってなくてすいません)
さいごに
同じコノフィツムの中でも 特に乾燥に弱い品種や 強い日光を好む品種など、いろいろ特性があるので、コノフィツムは多肉植物の中でも比較的 育てるのがむずかしいとされていますが、失敗しながらでも、そこからいろいろ工夫して楽しんで育てていけるといいですね。
冬の寒さには比較的強い多肉植物ですが「ある日突然 うっかり枯らしてしまった」という悲劇が起きる時には起きるのです。それなりの原因で。大切に育ててきたお気に入り多肉を うっかり傷ませないように維持して 暖かい春を迎えたいですね。 実際[…]